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京菓匠 笹屋伊織

【京都駅】キョウカショウ ササヤイオリ

だるまさん 250円(税別)

  • 京菓匠 笹屋伊織 十代目女将
    田丸みゆきさん


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小さな和菓子に込められた永遠の物語

京の和菓子文化を伝える老舗笹屋伊織。これは20年ほど前、このお店で起きた小さな出来事。ある日、老夫婦が来店。「だるまの最中はありますか?」と尋ねた。売れ筋ではなく、店のすみっこにあった最中を見せると「これです!ここで食べてもいいですか?」。お茶を出して事情を聞くとおじいさんが話してくれた。10歳の頃、店の前が通学路。当時、人気商品だっただるまさんは、店先にあり、普通のお家でも、なかなか子供が食べられない高級品だった。「美味しそうだなぁ」と、眺めていたある日、「そんなに食べたいなら、ほら食うてみぃ」。だるまさんの声が聞こえた気がしたという。やがて戦争が始まり、各地を転々としていた頃、体が小さくいじめられた。そんな時、聞こえたのは、だるまさんの声。「そんなことで泣いていたら、俺を食べられんぞ。がんばれがんばれ」。その声に、何度も励まされ、60年が過ぎた。人生を振り返った今、思い出すのは、だるまさん。再会を噛みしめるように、だるまさんを手にしたおじいさんは、ポロポロと涙をこぼした。「あぁ旨いなぁ」。その笑顔が今も忘れられないと、女将は語る。同じ場所で、同じものをつくり続けるということは、誰かの思い出を守ること。京都で生きる老舗とは、思い出と共に生きていくのと同じだと。歴史ある京都には、私たちの知らない小さな物語がたくさんあるはず。京都のお菓子は奥が深い。そんな小さな物語。

  • 〒601-8349 南区吉祥院池田町35
  • 075-692-3622
  • 9:00〜17:00
  • 日曜休(但し20日〜22日は営業)
  • P2台有
  • ※物語の舞台となった「笹屋伊織七条本店」は、 2月上旬にリニューアルオープンします。