伝統芸能の楽しみ方 2019.04.01お出かけ, 伝統芸能, 連載 能楽堂へ行こう vol.50 能 「熊野」 能楽堂に入って一番に目にする物は何でしょうか? 屋内にもかかわらず、大きく反った檜皮葺の屋根、それとも屋根を支えている柱、橋掛に寄り添うように立つ、1の松、2の松、3の松。でもその中で一際目を引くのはやはり鏡板に描かれた老松ではないでしょうか? 各能楽堂には、さまざまな老松が描かれています。狩野派のような豪壮な松があるかと思えば、日輪を添えた松を描いた鏡板があります。ただ、金泥をふんだんに使って描いた老松は、ここ京都観世会館だけではないでしょうか? この老松は描かれた当時京都画壇を代表し、後に文化勲章を受賞する「堂本印象」に依って描かれました。昭和33年に観世会館が竣工するにあたり、鏡板の松を当時観世会館関係者と交友のあった堂本氏に依頼しました。その時、堂本氏は「堂本印象の松しか描けない」と言ったと言われています。今見てもデフォルメされた松には違和感を覚える人もいるかも知れませんが、画力が見る者を圧し、京都観世会館の老松と言えば「堂本印象」、その老松を見に来られるのも一見の価値が有ると思います。4月例会の演目は能「歌占」、狂言「茶壺」、能「熊野」、能「船橋」です。 【 京都観世会 2019年4月1日~5月14日の催し 】 ● 京都観世会4月例会4月28日(日) 11:00[主な演目] 能 「歌占」:分林道治狂 言「茶壺」:小笠原匡 能 「熊野」:観世銕之丞 能 「船橋」:橋本光史[ 入場料 ]一般前売 6,000円一般当日 6,500円 学生 3,000円 京都観世会館 京都市左京区岡崎円勝寺町44お問い合わせ|tel.075-771-6114(月曜休館日、月曜が祝日または振替休日の場合は火曜日が休館日となることがあります)http://www.kyoto-kanze.jp/⬛️ 地下鉄東西線「東山駅」下車 1番出口から徒歩約5分⬛️ 京都市バス[5][100]で「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車徒歩約3分⬛️ 京都市バス[31][46][201][203]で「東山仁王門」下車徒歩約5分 伝統芸能の記事一覧に戻る Tweet Share お出かけ, 伝統芸能, 連載