伝統芸能の楽しみ方 2019.12.28お出かけ, 伝統芸能, 連載 能楽堂へ行こう vol.56 春日龍神 片山九郎右衛門 能楽堂の舞台には、よく知られていますが植物の絵が描かれています。鏡板に描かれている松、切り戸口そばに描かれている竹。松と竹が描かれていると、残りは梅の木と云うことになります。ここで、能楽堂を訪れる方々に解説者が、能楽者が舞台の上で能、狂言の花を咲かせる為に、あえて花の咲く梅の木を描かないと説明します。この度は、描かなかった梅の木について考えました。作庭家の中では常識的な言葉に「四君子」と云う言葉があります。梅、竹、蘭、菊の四種類を表す言葉で、気品の高い君子に例えられる華やかな画材。そして「歳寒の三友」と云う言葉、松、竹、梅を表す。冬の寒さに耐えてきりと立つ誇り高さを良しとする認識。竹は、雪の重みに耐えて真っ直ぐに育つ。松は、冬の寒さに耐えて緑を失わない。だから昔の人は神の宿る木と崇めた。では梅はと云うと、梅は風情を良しとする。咲き誇るのも美、ひっそりと咲くのも美、綺麗な花も何時かは枯れる。その儚さを咲き誇る花の中に感じるのも風情。人生をどれだけ長く生きてきたか、どれだけたくさんの美しきものや、醜いものを見てきたか、そういう人間の深みから、自然と滲み出てくる感覚を風情と呼ぶのではないか?世阿弥曰く「時に用ゆるをもて花と知るべし」 【 京都観世会 2019年12月28日~2020年2月29日の催し 】 ● 京都観世会1月例会1月12日(日)11:00〜[主な演目] 能 「翁」:観世清和 能 「養老」:林宗一郎狂 言「末広かり」:茂山七五三 能 「東北」:片山伸吾 能 「春日龍神」:宮本茂樹[ 入場料 ]一般前売 6,000円一般当日 6,500円 学生 3,000円 ● 京都観世会2月例会2月23日(日)11:00〜[主な演目] 能 「巻絹」:河村浩太郎狂 言「呂蓮」:茂山あきら 能 「大原御幸」:梅若実 能 「海士」:橋本光史[ 入場料 ]一般前売 6,000円一般当日 6,500円 学生 3,000円 京都観世会館 京都市左京区岡崎円勝寺町44お問い合わせ|tel.075-771-6114(月曜休館日、月曜が祝日または振替休日の場合は火曜日が休館日となることがあります)http://www.kyoto-kanze.jp/⬛️ 地下鉄東西線「東山駅」下車 1番出口から徒歩約5分⬛️ 京都市バス[5][100]で「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車徒歩約3分⬛️ 京都市バス[31][46][201][203]で「東山仁王門」下車徒歩約5分 伝統芸能の記事一覧に戻る Tweet Share お出かけ, 伝統芸能, 連載