一級建築士・宇津崎 せつ子さん

一級建築士・占術鑑定士
宇津崎 せつ子さん

うつざき せつこ。長岡京市で建設会社を経営する両親のもとに生まれる。住む人の生活と心を考えた、“家族を育む場”となる『住育の家』をコンセプトとして、家族が幸せになれる住宅の設計を行う。
住まいづくりを通じて、家族の幸せをナビゲート
宇津崎さんが設計する『住育の家』ってどんな家?
『住育の家』とは家族が住まいの中でコミュニケーションをとれて、絆を育むことのできる家のことです。私はこの 『住育』という考え方を柱に、収納、 家相、気学、風水を取り入れ、住む人が心豊かに暮らしを楽しめる家を設計しています。もう少し具体的に話すと、玄関を開けて「ただいま」の顔がすぐに見える、どこにいても家族の気配が感じられる間取り、キッチンが一番の特等席、家事がぐんと楽になる最短家事動線、人の行動に合わせた収納計画などの特徴を持った家のことです。
幸せに暮らせる住まいづくりの最大のポイントは「どんな家にしたいか」の前に「どんな暮らしがしたいか」をしっかり考えること。間取り・設備からスタートするのではなく、自分にとっての「豊かさ」や「幸せ」とは何かを考え、 家族全員の幸せの価値基準を明確にすることから始めるのが重要です。私にとって住まいを設計することは作品づくりでなく、お客様の目に見えない『幸せ』を『家』という形にナビゲートすることだと思っています。

どうして『住育の家』をつくろうと思ったんですか?
きっかけのひとつは子ども時代の経験にあります。両親が営む建設会社が大きくなったことで、父が立派な豪邸を建てました。友達には羨ましがられましたが、忙しい両親をはじめ、家族の気配が感じられない、広くて豪華なだけの暮らしに、私は自分の居場所がないような不安や孤独を感じていました。思春期だった当時の私はその思いを家族に伝えることができませんでした。今社会問題になっているいじめもそうですが、家族にSOSを出せない子どもは大勢います。辛い思いをしても、親に心配をかけまいと必死に傷を隠します。だからこそ、大切なのは家族の異変に気づける住環境を整えること。
すべては家庭からなんです。家族のつながりやお互いの存在、気持ちが自然に感じ合える家で暮らせば、人は「いつも見てもらっている」という安心感から自己重要感が高まり、自分に自信をもって社会や学校で頑張れるようになると私は思っています。

将来の夢を教えてください!
私が目指しているのは誰にでも優しい家づくりです。それは、お母さん一人が大変だったり、子どもが寂しい思いをしない、誰かが病気になったり、障害を抱えたり、介護が必要な状況になってもペットを含めて誰一人孤立しない家。そんな誰にでも優しい住まいづくりを通じて誰にでも優しい平和な社会の実現を目指していきたいです。これまで25年に渡り何百人ものお客様の住まいづくりに関わってきましたが、住まいを見直すことで「家族が仲良くなった」、「嫌いだった家事が好きになった」、「(家庭だけでなく)仕事の成果も上がった」など、暮らし方はもちろん、人間関係・生き方・人生がどんどん好転していくお客様の姿をたくさん目の当たりにしてきました。
その経験から、住まいは家族の幸せに直結している、まさに『住まいづくりは人づくり』なのだと実感しています。これからも住まいづくりを通して『幸せ家族』の輪を広げて いけるように頑張っていきたいです。