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2017.11.22映画

映画「光」 井浦新×瑛太 特別インタビュー
「暴力が描かれるってことは、生きるってことを描いている」

 

「舟を編む」「まほろ駅前多田便利軒」など数々の作品が映画化された人気作家・三浦しをん

その作品群中でも、ひときわ異彩を放つ小説「光」は、日常に潜む暴力をむき出した怪作だ。

 

 原生林が残る東京の離島・美浜島に住む中学生・信之の世界は、同級生である恋人・美花を中心に動いている。そんな信之を兄のように慕い、親から虐待を受けていた愛情を知らぬ少年・輔がいた。ある時、信之は美花を守るために殺人を犯してしまう。その翌日、島を津波が襲い、ろくでもない大人と信之、美花、輔だけが生き残る。それから25年が経ち、島を出て妻子を持ち平穏に暮らす信之(井浦新)と過去を捨て芸能界で生きる美花(長谷川京子)。二人の前に輔(瑛太)が現れ、消え去ったはずの罪の真実を握っていることを告げる。

 

 映像化には三浦氏の「まほろ駅前多田便利軒」シリーズに続いて、「さよなら渓谷」などで知られる、大森立嗣監督が監督・脚本を手がけ、デトロイド・テクノを代表するテクノ界の巨匠、ジェフ・ミルズが音楽を担当した。

 

 

 本作で初共演を果たした井浦新と瑛太に、互いの印象と映画が見せる暴力性とは何かを伺った。

 

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ーかねてからに共演を熱望していたとのことですが、本作で初共演していかがでしたか?ー

 

瑛太:

共演できることだけでなく、この映画を宣伝するにあたって一緒にいる時間もすごく刺激的。

お互いが演者としてカメラの前に立ちお芝居をする俳優なんですけど、新さんの機微だとかの感性を前にすると、お芝居にある概念を壊すようないろんなことが現場で起きるんです。それが、ただ単にそのシーンを成立させるためだけじゃない、それらを超えた人対人として感覚をぶつけ合うところまで昇華できて、すごく楽しかった。

 

 

井浦新(以下、新):

共演をしたいと思ったきっかけは、瑛太くんの芝居はもちろんインタビューなんかも見て、人間味の部分で面白いなと思っていて。

色んな作品でそれぞれの人間を背負って生きていて、そうゆうのを見せられると同じ生業ですから、瑛太くんとちゃんと向き合ってみたいなと。

慣れ親しんだ気楽な仲間になれなくとも、大森監督のもとでお互い一生に残るような作品でしっかりやってみたい。そう思わせる、何かを感覚的に感じて突き動かされたと思います。

 

 

 

 

ー原作者の三浦氏も演技が素晴らしかったと絶賛されていましたが、お互い演じられた役をどう捉えられていましたか?ー

 

新:

信之は難しいですね。出てきてしまったのがアレだったというのが一番はまると思うのですが。瑛太くんが演じる輔が目の前に立った時に台本にある活字が意味を持たなくなっていて、二人が本能のままにああなってしまったんだなと。

 

 

瑛太:

原作を読んでイメージはできていたので、役作りは特にしてなくて。新さんと向き合った時に何が起きてくるかということと、輔の背景で大事にしたかったのは、新さん演じる信之に対するすがるような思いが25年経っても変わらずあるというところ。生きることと死ぬこととの境界線がなくなってしまった輔は、未だに信之に何かを期待しているように感じました。

 

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ー作品のテーマの一つに「暴力」がある思いますが、原作が刊行された2008年と今の2017年とでは「暴力」意味合いが変わってると思うのですが、映画における「暴力」とは何だと感じましたか?ー

 

新:

演じ終わってから感じられることだったと思うのですが、信之を通して感じたのは暴力を持ってしてじゃないと会話できないこともあるんだなと。愛おしすぎる相手への想いや生を暴力を持って実感することって、一つの形としてあるんだと感じた。輔との関わりは全て暴力なんですが、求めいているのもを与えてあげる暴力も愛情となっていきますし、喜びはないんだけどもそこには深い愛情がある。暴力を持って会話をしている時の信之は生き生きしてたんじゃないかな。

 

 

瑛太:

やだなぁ、と思っていました。ネット上での言葉の暴力も嫌いですし。でも、人の暴力は愛情を失った時に生まれると思うんですね。いくら芝居でやっっても、どっかで気が滅入る部分もあるし、でもどっかで小さい頃にあるようなヒーロー的な正当防衛の暴力にどこか憧れてしまう。普段の生活の中で暴力はずっとついてくるものだから、暴力が描かれるってことは、生きるってことを描いていることにもなる気がします。

 

 

 

 

ー本作ではジェフ・ミルズの音楽の力もすごく強かったと思います。完成された映像を見ていかがでしたか。ー

 

新:

始まった瞬間からすごいです。最初に見た時はびっくりしました、声出しちゃいましたから(笑)。見てくれる人も、嫌だなって思うシーンがあったら声を出してもらって、そうするときっと見る人にも生きてる実感を与えるような作品になってくる。

 

 

瑛太:

正直、大丈夫かなと。やっぱり、大森立嗣監督はある意味新しい大森ワールドに入っちゃたんだなって気もしました。音がなるということは、次は音が止む、そのタイミングがいつ?って思いながら聞いていて、どのカットで、どの状況で見てる側の心理変えてくれるんだろうって。

 

 

 井浦新と瑛太が人間の内面に潜む暴力性を描き、自然と日常が映される中に突然ジェフ・ミルズの激しい音が鳴り響く。

映画「光」は、映画館全体に異様な空気を充満させてくるエネルギーがある。

二人の本能をぶつけ合う演技を劇場で実感してほしい。

 

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映画「光」は、シネ・リーブル梅田ほか、11月25日から全国公開。

京都では京都シネマにて公開。

 

「光」

公式サイト:http://hi-ka-ri.com

京都シネマ:http://www.kyotocinema.jp/

下京区烏丸通四条下る水銀屋町620  COCON KARASUMA3F

 

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