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新型コロナウイルス感染予防の”気になる”を感染症の専門家に聞いてみた!

新型コロナウイルスの世界的な流行が起きてから半年以上が経過。緊急事態宣言も解除され、全国的にコロナ終息ムードが漂っていたのもつかの間、東京を中心に再び感染者が増加しています。そんな油断禁物な状況だからこそ、感染拡大の第二波・第三波を防ぐために知っておきたい「感染予防にまつわる”気になる”こと」を、感染管理を専門にする医療従事者の方に聞いてみました!

 

Q.1 夏や梅雨の時期だからこそ気をつけなければいけないことはありますか?

A. 季節を問わず、とにかく手指衛生(手洗い)を

感染予防の方法が季節によって変化することはありません。基本的には手指衛生をしっかり行うことが最大の感染予防対策になります。夏場になると汗をかくので「唾液のように感染源になるのでは…」と心配する人もいるかもしれませんが、感染予防の観点では汗が直接の感染源になることはありません。

 

Q.2 手を洗う時に気をつけることってありますか?

A. 洗い残しは思っている以上に多いです

手指衛生(手洗い)は感染予防に一番効果的な対策と先ほども言いましたが、「じゃあ毎日やっているから大丈夫」と思っている人、本当に“しっかり”と洗えていますか? 下の写真を見てもらうとわかる通り、ちゃんとすみずみまで洗ったつもりでも意外と洗い残しは多いです。新型コロナウイルスの流行後、こまめに手洗いをする人は増えたと思いますがその分洗い方が雑になっていませんか? 下記のイラストを見て、しっかり手が洗えているか確認してみてください。

《正しい手の洗い方》

出典:厚生労働省「手洗い」https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000593494.pdf

《手洗い動画もチェック!》

 

Q.3 空気感染のリスクはありますか?

A. 新型コロナウイルスは空気感染しません

新型コロナウイルスは物体の表面で比較的長く生き続ける(段ボールの表面で24時間、プラスチックやステンレスの表面で最長2~3日)と言われているので、不安に感じている人も多いかもしれません。しかし今のところ空気感染(空気中にウイルスが漂い、それを吸い込んで感染)するというデータはありません(空気感染するウイルス・菌は麻しん、水痘、結核と限られています)。新型コロナウイルス感染の基本経路は飛沫感染接触感染です。だからこそ咳エチケット手指衛生をしっかり行うことが大切。
下の動画を見るとよくわかりますが、咳やくしゃみの飛沫は想像以上に拡散します。

 

Q.4 人が多い所に行ってもしゃべらなければ感染リスクは下がりますか?

A. しゃべらなければ大丈夫という保障はありません

繰り返しになりますが、ウイルスの感染経路は主に「飛沫」「接触」の2つです。飛沫=咳をしたり、話をすることでウイルスが飛び散るのでしゃべるよりはしゃべらない方が良いと思います。しかし接触=ウイルスの付着したものに触ることで自分の体にウイルスが付着することなので、おしゃべりの有無は関係ありません。つまり、話をしなければ大丈夫ということにはならないです。

 

Q.5 うがいはあまり効果がないと聞きますがホントですか?

A. 感染予防のエビデンスはありませんが、口腔衛生の意味はあります

うがいの感染予防としての効果は色々研究されてはいますが、現状効果があったという結果にはつながっていません。しかし口の中をきれいにするという意味では一定の効果があると考えられています。

 

Q.6 蚊が増えてきましたが、新型コロナウイルスは蚊から感染しますか?

A. 現時点でそういった情報や根拠はありません

ウイルスを保有した蚊に刺されて感染する病気のことを『蚊媒介感染症』といい、デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、マラリア、日本脳炎、ウエストナイル熱などがあります。このうちデング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症については、いずれも日本国内に広く分布するヒトスジシマカが媒介するので、海外での感染などをきかっけに国内で感染が拡大する可能性があります。新型コロナウイルスは主に感染した人が咳やくしゃみをした時の飛沫や唾液、鼻水を介して広まる『呼吸器感染症ウイルス』です。そのためWHOの報告などでも現時点で蚊に刺されて感染することはないと言われています。

 

Q.7 夏場もマスクをつけ続けると熱中症になりそうで心配…。何か対策はありませんか?

A. 体を冷やすのはもちろん、外せるときはマスクを外しましょう

夏の暑い中でマスクを着用すると熱い空気を吸い込み、マスクの中に熱がこもりやすい状態になるので暑さ対策は必須です。対策自体は例年と変わりませんので、体を冷やすこと、室内の温度・湿度(28℃・60%が目安)を調整すること、こまめに水分補給することなどを心がけてください。特に水分補給はマスクの着け外しが面倒で回数が減る人も多いかもしれないので気をつけて。また、屋外で人との距離がしっかり確保できるような時はマスクを外してもいいと思います。マスクの目的は飛沫感染の相互的な予防です。そのため飛沫のリスクがない状況ではつける必要はありません。

 

Q.8 プールや銭湯の利用は感染リスクを高めることになりますか?

A. 利用者の体調管理ができていれば大丈夫だと思います

何をもって感染リスクが高くなると判断する指標を出すのが難しい問題ですが、現在は多くの施設が感染予防のガイドラインを定めて営業しているので、利用される方が体調管理と感染予防をしっかりできていれば大丈夫だと思います。

 

Q.9 マスクは家の中でもした方がいいですか?

A. 基本的には必要ありません。それよりもお家の環境整備を

家の中でもマスクをする必要は基本的にないと思います。しかし、感染状況を見ているとステイホームの影響なのか、家庭内発症が多かったのも事実で印象的でした。ご家庭内でできる対応としては以下のようなことが挙げられます。

・遠方への出張後は体調管理を厳重に行う。

・日頃から体温、呼吸器症状をチェックし、少しでも異常があれば休息をとる。(呼吸症状がある場合は家の中でもマスクの着用をおすすめします)

・同居家族との一次的な分離(一緒に過ごす部屋を分けるなど)をする。

 

しかし、より重要なのは家の環境整備です。手すりドアノブのように家族みんながよく触る場所は、一日一度くらいは消毒すると良いと思います。もちろん、手指衛生がしっかりと出来ていればどこを触っても安心です。

 

《家の中の消毒の仕方はこちらの動画もチェック!》

 

また、新型コロナウイルスの消毒に有効とされる家庭用洗剤のリストが公開されているので、こちらもご参考ください。

https://www.nite.go.jp/data/000111982.pdf

 

Q.10 デリバリーを頼んだ時、配達員さんがマスクをしていませんでした。この場合、自分がマスクをしていれば特に問題ないですか?

A. 食べ物がむき出しでなければ特に問題ありません

デリバリーの際に食べ物が外にむき出しの状態でなければ問題ないと考えます。受け取った後、食事をする前に手指衛生をすれば周囲についていたウイルスも除去することができます。もちろん、今の時期マスクをするのはエチケットなので配達員さんもマスクは着用するべきと思いますが(人と接する時は)。

 

Q.11 子どもがマスクをベタベタ触ります。こうなるとむしろつけない方がいいんでしょうか?

A. マスクの表面を触っても、手指衛生が出来ていれば大丈夫です

正しいマスクの着用は必要性が理解できる年齢になるまで難しいです。マスクの表面にはウイルスや菌、汚れが付着するので触らない方が良いのはもちろんですが、触った後にしっかりと手指衛生が出来ていれば大丈夫です。ちなみに日本小児科学会は、マスクにより呼吸がしにくくなり呼吸や心臓への負担になるほか、夏は熱中症や窒息のリスクが高まるとして、2歳未満の子どもにはマスクを着用させないよう注意喚起を行っています。

【参考】日本小児科医会資料

 

Q.12 外出時の人混みってどの程度から避けるべきなんですか?

A. 人混みへの対処よりも、日頃の感染予防対策と帰宅時の手洗いが重要です

買い物や通勤・通学、公園へのおでかけなど、人混みを一切避けることは現実的に難しく、ソーシャルディスタンスの基準なども曖昧な部分が多いです(何人集まっていても2m以上離れていればいいのかなど)。確かな根拠がないので私的な見解となりますが、感染予防対策(マスクの着用、咳エチケットなど)をしっかりしていれば大丈夫だと思います。もちろん帰宅した時の手洗いもとても重要です。

 

Q.13 ニュースでBBQをした人が話題になっていましたが、アウトドアは今後も控えた方がいいのでしょうか?

A. 体調を整えた上で、周りの状況をみて判断しましょう

医学的なエビデンスがないため私的な見解となりますが、“状況をみて判断する”のが良いと思います。コロナ禍の中で、一人ひとりが「何を大切にするべきか」を考えて行動することが重要なのではないでしょうか。緊急事態宣言の解除によって自粛などの制限は緩和されましたが、だからといって何もかも元通りに動いて問題ないわけではありません。自分の健康はもちろん、家族や友人、地域の人たちの健康のために互いに適切な行動が取れるようにしたいですね。基本的なことですが、体調を整えた上で動くのが良いと思います。

 

Q.14 スーパーなどに設置されているアルコール消毒や手洗い場は、利用者が多く正直汚いんじゃ…という気もするんですが大丈夫なんでしょうか?

A. 大丈夫ですが、気になる方は工夫を

仮にアルコール消毒のヘッドが汚れていてそのヘッドを触ったとしても、その後アルコールを刷り込むので手指はきれいな状態になります。そのため汚くないと考えます。アルコールボトルも不適切な使い方をしない限り中身が汚染されることもありません。手洗い場に関しては、出来れば蛇口に直接触れることのない自動水栓が望ましいですが、直接蛇口をひねる場合はペーパーを使って閉めるなどの工夫をすれば問題ないです。

 

Q.15 緊急事態宣言が解除されましたが、行動の自粛を緩和しても大丈夫ですか?

A. 行動規制の緩和には一人ひとりの適切な行動が大事

多くの専門家が言うように新型コロナウイルスの終息には年単位の時間がかかるでしょう。その間ずっと自粛を続けることは現実的ではありません。行動規制の緩和と感染拡大予防を両立していくためには、一人ひとりが感染予防対策について正しい知識を身につけ、適切な行動を取れることが求められます。今まで話した通り、感染予防のための行動は決して難しいものではなく、子どもから大人まで実践できる”当たり前”のことばかりです。その当たり前を一人ひとりがしっかり行うことができれば、きっと新型コロナウイルスに打ち勝つことができると思います。

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