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京都の人気皮膚科医に聞いた! 夏の正解スキンケア
長~い梅雨も終わりが見え始め、日差しの強さも日ごとに増してきた今日この頃。肌トラブルのリスクがグーンと高まる暑い暑い夏を華麗に乗り切るべく、京都の人気皮膚科クリニック・河合医院の磯久先生に、夏の肌トラブルの発生要因や正しいスキンケアの方法について聞いてきました!
記事を監修してくれたのは…
皮膚科医 磯久太郎 先生
河合医院 河合皮膚科の理事長。河合医院の初代創設者である祖父の影響を受け、幼少の頃より皮膚科医を志す。「通院しなくてもよい患者さんを増やすこと」をモットーに、患者さん一人ひとりに対して丁寧でわかりやすい診療を心掛けている。
河合医院 河合皮膚科 美容皮膚科
アトピー、かぶれ、ニキビから円形脱毛症や巻き爪まで、幅広い皮膚疾患の治療を行っている皮膚科専門のクリニック。院内処方によって常勤の管理薬剤師が医師と連携したきめ細かい対応や服薬指導を受けられるのも魅力的。美容皮膚科も併設。
1.夏の肌トラブル3大要因を解説
日焼け、乾燥、ニキビといった‶夏の肌トラブル”を引き起こす代表的要因である「紫外線」「汗」「冷房」について教えてもらいました!
要因1.紫外線
あらゆる肌トラブルを引き起こす、肌の大敵!
紫外線によってダメージを受けた肌は急いで新しい角質を作ろうとターンオーバーを促進します。しかし急ピッチなターンオーバーでは細胞の角化が十分に進行せず角質機能(=肌のバリア機能)の不十分な角質(層)にしかなりません…。
これが紫外線によって肌のバリア機能が低下するメカニズムです。バリア機能が低下すると肌の水分が失われやすくなり、肌は乾燥一直線…! 乾燥が進むと角質が分厚くなり(角質肥厚といいます)、くすみやごわつきの原因にも。
また、肌のバリア機能が低下すると肌を保護しようと皮脂が過剰に分泌され毛穴が詰まりやすくなります。そして毛穴に詰まった皮脂を栄養にニキビの原因となるアクネ菌が繁殖します。
【美容の豆知識①】
スキンケアの話ではよく“浸透”という言葉が出ますが、これは基本的に“角質への浸透”のことを指しています。
紫外線による肌トラブルの代表格であるシミは、紫外線によって皮膚の細胞のDNAが傷つけられることで細胞が変形し一部厚くなり、細胞内のメラニン量が多くなることで発生しやすくなります。ちなみに、加齢によるターンオーバーの低下も皮膚の中にメラニンが貯まりやすくなる原因の一つです。
ちなみに唇は肌と比べて角質層が薄く、メラニンの量も少ない=バリア機能が低いため、紫外線の刺激にことさら弱いです。日差しの強い夏はスキンケアだけでなく唇ケアもしっかり行いましょう。
【美容の豆知識②】
角質層が薄い=水分を保持する能力が低い=肌のバリア機能が低い=肌が乾燥しやすいということです。
要因2.汗
汗の恐ろしさはかく前よりかいた後にあり…!
汗は蒸発する時の気化熱で体温を下げる役割を持っていますが、実はこの時、肌のうるおいも一緒に奪われて(蒸発して)しまうので、肌が乾燥しやすくなります。暑い外から冷房の効いた部屋に入ると汗がスーッとひいて気持ちいいですが、この状況は肌を一気に乾燥させてしまうのでご注意を。
汗がもたらす肌トラブルは乾燥だけではありません。汗は水、塩化ナトリウム、微量の尿素などの成分で構成されていますが、気温上昇などによって汗の水分が蒸発すると、塩化ナトリウムの濃度が高まり肌にダメージを与え、敏感肌や炎症を引き起こします。汗に付着した汚れ(ホコリなど)もそのままにしているとダメージの原因に。
また、大量に汗をかくと肌の表皮がふやけて汗の出口がふさがれることや、汗管*内で汗が汗管を押し広げてしまい炎症を起こすことで、汗管内に小さな水ぶくれ=あせもができます。
*汗管:汗を分泌する器官のこと
要因3.冷房
部屋も肌も乾燥させるやっかいもの
冷房の効いた室内は湿度が下がり乾燥しているので、そもそも肌にあまり良くない環境となっています。そのうえ外出時にかいた汗が冷風によって蒸発して肌のうるおいを奪っていくのだからもう大変! 肌の表面が荒れるのはもちろん、乾燥によって過剰に分泌された皮脂の代謝産物が角質を厚くすることで毛穴の出口が詰まりニキビが誘発されやすくもなります。
Column①
〜 マスクで起きる肌トラブルとその対策 〜
新型コロナウイルスの感染予防のためにマスクをつける時間が増えましたが、マスクが原因で起こる肌トラブルへの対策は万全ですか?? 「どうせマスク越しじゃわかんないし」と油断せず、しっかり対策していきましょう!
【マスク着用が原因で起こる肌トラブル】
・大人ニキビ
→マスクと肌が擦れる(摩擦)ことで肌がダメージを受けるので大人ニキビができやすくなります。
・乾燥
→マスクあるあるの“蒸れ”は乾燥のもと。マスクを外した時、内部の水蒸気が蒸発して肌のうるおいを一緒に奪ってしまうからです(汗による乾燥と同じ)。そのためマスクのつけ外しが多いほど乾燥も強くなっていきます(不織布マスクは特に)。
・肌荒れ、炎症(かぶれ)
→マスクの中が蒸れる=雑菌が繁殖しやすい環境なので、マスクに覆われた部分は肌荒れや炎症が起こりやすくなります。マスクに付着した花粉やホコリなどの汚れも肌への刺激に!
【対策】
①マスクは肌への刺激が少ないものをチョイス!
→肌に一番優しいのはガーゼ素材のマスクと言われています。ガーゼマスクが用意できない場合は、肌にあたる部分に別途ガーゼやコットンを当てましょう。
②事前にしっかり保湿ケア
→マスクを着ける前に保湿クリームを顔に塗ってうるおいを補給!
③汗や汚れはこまめに拭きとる
できればこまめに洗顔して肌を清潔な状態に保ちましょう。洗顔後は再保湿を忘れずに。
2.皮膚科医が教える夏の正解スキンケア
美容皮膚科医としても活躍している磯久先生に夏の正しいスキンケアを教えてもらいました。
毎日の積み重ねが大事
「デイリーケア」の正解はこれ!
【朝】
起きたらすぐに洗顔&保湿。時間をかけて保湿成分をしっかり浸透させましょう。良く動かすので刺激を受けることの多い、目や口の周りは念入りに。時短したい場合はシートマスクやコットンパックを活用しましょう。
外出前のUVケア(日焼け止め)は塗り残しのないようにすみずみまでしっかりと。もちろんUVリップもお忘れなく。効果は限定的であくまで補助的な役割ですが、ヘリオケア、U-blockなどの内服薬を使った飲むUVケアもあり。
もちろん一番簡単なのは物理的に防ぐことなので、つばの長い帽子やアームカバー、日傘での紫外線予防もお忘れなく。マスクをしているだけでも紫外線予防の効果はあると思われます。
【美容の豆知識③】
日焼け止めは時間とともに効果が薄れていくので2~3時間おきに塗り直すのがおすすめ。最近はメイクの上から使えるUVパウダーやUVスプレーもあるので上手に活用しましょう。
【昼】
日中はスプレータイプの化粧水で定期的な保湿を。保湿成分が配合されていたり、オイルインタイプのものがおすすめ。商品によっては散布した化粧水がすぐに蒸発して逆に肌のうるおいを奪ってしまうのでご注意を。今回のように乾燥対策で使う場合や敏感肌気味の人はアルコールフリーの商品を選びましょう。肌温度を下げるために化粧水は冷やしてから使うのもおすすめです。
肌の急激な乾燥と付着したヨゴレを除去するために、汗はこまめに拭きとること。また、ニキビを予防するために余分な皮脂も洗顔シートなどで定期的に取り除きましょう。
【夜】
化粧水をたっぷり浸したコットンをシートマスクのように密着させて、日中の気温で火照った肌をクールダウン。濡れタオルや保冷剤でのアイシングでもOK。肌にダメージを与えてしまうのでこすったりたたいたりするのはNGです。
クールダウンが終わったらクレンジングを。オイルかミルクタイプのものがおすすめです。化粧水での保湿はしっかり、念入りに。紫外線を浴びた肌はかなり乾燥しているので化粧水はケチケチせずにたっぷりと使うこと!
Column②
〜 正しい唇ケア教えます 〜
前の章でお伝えした通り、唇は刺激に弱く、とてもデリケートな部分です。スキンケアと同じくらい入念にケアしてあげましょう。
【唇ケアの正解】
・リップクリームはこまめに塗り直す(1日3~5回)。
・正しい塗り方を覚える。
→塗りムラができないように気をつけましょう。
【リップクリームの正しい塗り方】
・水分をしっかりとる。
・ワセリンとラップを使った「リップパック」で集中保湿するのも効果的。
【美容の豆知識④】
人によってはUVリップや薬用リップに含まれる有効成分(添加物)が原因で唇が荒れる場合もあるので注意。日焼けを防ぐためとはいえ、唇が荒れてしまっては元も子もないので、無添加のリップクリームを使いましょう。
ダメージのある時こそ慎重に…!
「トラブル発生時」の正解スキンケア
トラブル1.乾燥している時
毎日湯船(ぬるめ)につかって血行を促進させましょう。顔には蒸しタオルを。血行を促進し代謝をアップさせることでダメージの修復力が強化され、肌のすみずみにうるおいが届きやすくなります。そして化粧水の使用後に保湿美容液やクリームでのケアを追加するようにしましょう。シートマスクで集中的にうるおいをチャージするのも有効です。冷房は使い過ぎず、加湿器で室内の湿度を調整すること。
食生活にも気をつかい、抗酸化物質であるビタミンA、ビタミンCや肌を作るタンパク質がしっかり摂れる食事を心がけましょう。
■食品例
ビタミンA:鶏レバー、豚レバー、うなぎ など
ビタミンC:赤ピーマン、黄ピーマン、キウイフルーツ など
タンパク質:肉、魚介類、卵、大豆製品 など
トラブル2.日焼けしている時
紫外線による炎症の進行を止めるためには、とにかく早めに肌をクールダウンさせることが肝心。アフターケアは日焼けしてからおよそ48時間が勝負です。流水、濡れタオル、氷、保冷材、ミネラルウォーターのスプレーなどで熱を持った肌を冷やしましょう。氷や保冷材を使う場合、直接肌に触れるのは刺激が強いのでタオルなどで包んでください。
日焼けしている肌は弱っている状態なので、洗顔はいつもより優しく短時間で済ませましょう。その後、赤みやほてりが落ち着いたら化粧水で肌にたっぷりうるおいを補給。手のひらで包み込むように優しく肌に馴染ませてください。コットンパックをするのもおすすめです。
美白ケアは肌の状態が落ち着いてから。焦らずじっくり時間をかけてケアを行い、徐々に肌の色を戻していくようにしましょう。
【美容の豆知識⑤】
シミの原因であるメラニンは皮膚が炎症を起こすと誘発されます。ここでいう炎症とは紫外線による日焼けだけではありません。化粧品かぶれなどで炎症を起こした場合も、メラニンが発生することがあるそうです。
トラブル3.ニキビができた時
乾燥によって厚くなった角質が毛穴を防ぐことがニキビの原因の一つなので、ニキビに刺激を与えないように注意しながらも、肌の保湿はしっかりと行ってください。塗り薬は洗顔して肌が清潔な状態になってから塗布しましょう*。
*最近は洗顔して保湿した後に塗布することを推奨している塗り薬もあります
炎症を悪化させる可能性があるのでニキビが治るまでファンデーションなどの厚塗りは控えてください。
正しいつもりが実は…
こんなケア方法はNG!
NGケア1. 洗顔の回数が多い
一日に何度も洗顔をすると肌の保湿に必要な皮脂まで落としてしまいます。肌の状態にもよりますが通常は朝晩2回がベター。また、洗浄力の強いスクラブ系の洗顔料は少なからず肌に負担がかかるので、あまり高頻度で使わない方が良いです。
NGケア2.ゴシゴシ洗顔&化粧水パッティング
肌に過剰な刺激を与えてしまい、うるおいを保つために必要な皮脂膜まで洗い落としてしまうことに…。化粧水をつける時にパンパンとパッティングするのも肌にダメージを与えるのでNG!
NGケア3.シャワーですすぎ洗い
熱いお湯やシャワーの水圧は肌にとって刺激が強すぎるので、お風呂で洗顔する時にシャワーですすぎ洗いするのは×。乾燥の原因になります。
NGケア4.シートマスクの長時間使用
シートマスクは保湿に大変効果的なケアですが、シートが乾燥するまでつけるとかえって肌の乾燥を招きます…!
3.ゴ・バーン編集部おすすめのスキンケアアイテム5選
最後に、編集部一の美容男子を標榜する編集Aがリサーチした、おすすめのスキンケアアイテムをご紹介!
①KSC SIMPLE Lip Cream
皮膚科専門医が監修! 口唇保護に特化した無添加リップクリーム
今回記事の監修をしてくれた河合医院の磯久先生も開発に関わった、“唇に優しい”リップクリーム。従来の“足し算発想”とは逆の“引き算発想”で作られており、成分は高純度なワセリンと固めるためのワックスだけ。唇荒れの原因となりうる添加物が一切使用されていないので、皮膚の弱い人でも安心して使えます!
ドラッグストアなどでは市販されていませんが、オンラインストアや皮膚科で購入可能。ゴバーンの目ストアでも数量限定で入荷しました!
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②KSC SIMPLE VC 10 Cream
こちらも磯久先生監修の美容クリーム。肌の健康に欠かせないビタミンCの持つさまざまな効能(美白、コラーゲン生成促進、抗ニキビなど)を最大限発揮させるために、通常のビタミンCの約30倍皮膚に浸透しやすく、浸透後の作用時間も長いビタミンC誘導体(VCIP*)を生成&高濃度で配合。紫外線にも強く、通常のビタミンCよりも酸化されにくい、安定性の高さも魅力的です。
*VCIP(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル):ビタミンC誘導体の一種で、ビタミンCと皮脂脂肪酸に多く含まれる分岐状の脂肪酸であるイソパルミチン酸をくっつけることで生成される
こちらもドラッグストアなどで市販はされていませんが、オンラインストアや皮膚科で購入可能です。
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③エトヴォス ミネラルUVベール
美肌に欠かせないビタミンDの機能をサポートする整肌成分「シャクヤク花エキス」を新配合した、エトヴォス ミネラルUVシリーズの新作。持ち運びに便利なコンパクトタイプの日焼け止めパウダーで、厳選された複数のミネラルと保湿成分が夏肌を美しく保ってくれます。セミマットでナチュラルな仕上がりで、ファンデーションの上から重ねても厚塗りにならないから、こまめに塗り直すことができるのもGOOD! アフターサンケア成分*もたっぷり配合。SPF45 PA+++
*整肌成分
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④アイアイメディカル アイナソープ400
肌への刺激となる成分を徹底的にカットし、ピーリング特有のピリピリ感を少なくした敏感肌の人にもおすすめのピーリング石けん。ピーリング成分のAHAグリコール酸が高配合(4%配合)されているので、古くなった角質や毛穴の中の汚れをしっかり落とすことができます。口元やあごの周りにできやすい大人ニキビの予防にぜひお試しを。全身に使えるので背中やお尻にニキビができやすい人にもおすすめです♪
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7月30日より「アイナソープ400」の読者プレゼントを実施! プレゼントページよりご応募ください♪
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⑤エンビロン Moisture Cream
紫外線によってダメージを受けた肌の修復に欠かせないビタミンA(レチノール誘導体)と、12種以上の多彩な美容成分を配合した保湿クリームです。美容液のように肌にすっとなじみ、内側までしっかり浸透することでうるおいあふれる健やかな肌をキープ! 肌のコンディションにあわせてビタミンA濃度を4段階でステップアップできます。初めての方は基本的には1番からスタートを。
*ビタミンAは刺激が強く、ビタミンA配合の化粧品を使用すると肌が過剰に反応して乾燥や赤みが出ることがあります(ビタミンA反応)。これはアレルギー反応ではなく一過性のもので、1~2週間ほどで落ち着いていきます
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