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新作をリリースする“ジュビちゃん”インタビュー

ジュビレーヌ・イデアラ
ジュビレーヌ・イデアラ

京都市交響楽団に在籍するコントラバス奏者であり、作曲家であるジュビレーヌ・イデアラさん。

11月12日(火)に新作『にじいろのさんぽみち。』をリリースし、レコ発ライブを直前にひかえた通称“ジュビちゃん”にインタビュー。

音楽のバックグラウンドから新作、レコ発ライブ、今後の展望について語っていただきました。

 

音楽のバックグラウンドについて教えてください。

子供の頃からクラシック音楽が好きで、作曲家になりたかったんですけど、楽器は中学のときにブラスバンドでトランペットをやったのが初めてです。同じ頃にバンドでギターを始めました。

高校を卒業してからいったん東京の武蔵野音楽院に入学したんですけど、上手い人はいくらでもいるし、すぐに挫折してしまったんです。

その後アルバイトなんかしてたんですけど、大阪音楽大学を受けようということになって、(楽器は)なにで音大に入るかっていう…普通は順番が逆なんですけどね(笑)。

作曲家になりたいんだけど楽器はあんまりで、バンドでギターはやってたけど音大にギター科っていうのは少ないんですね。

ちょうどその頃に友達から、

「コントラバスを買ったんだけど、弾けないからおまえいらない?5万円でいいよ」

と言われたんです(笑)。

それでちょっとかっこいいし、持って帰ったんです。

コントラバスってギターの下の4弦と調弦が同じで、1オクターブ低いんですけど、音がどこにあるかはだいたいわかる。

それで先生につくようになって、大阪音楽大学の器楽科に入りました。2002年から京都市交響楽団でコントラバスを演奏してます。

3年ほど前になんとなしに始めたYouTubeが思ったより好評で、みなさんに観てもらえたんですね。で、ちょっとこのへんでぶっこんでみようかなっていう魔のささやきがありまして(笑)。

最初はクラシックの曲をポップアレンジにして、ビートを入れたりしてやってたのを、ちょっと自分の書いた曲をやってみたんですよ。

そこで調子に乗ってどんどん曲を書き始めて、あっというまに曲が増えて、このたび自分のオリジナル曲だけでCDを出すことになりました。

 

クラシックの演奏者が、自身で作曲してライブをするのは珍しいんじゃないですか。

ポップスとかロックは自作自演って当たり前ですけど、クラシックって演奏家と作曲家がかなり分けられた世界なんですね。

クラシックの作曲家になるのはものすごく難しいんですよ。成績がすごくいい優秀な人でないと作曲科には入れない。

私は本当は音大の作曲科に入りたかったんですけど、とても自分の能力では入れないっていうのがありました。だから演奏家をやりながらも作曲はずっとやっていたんですね。

それがYouTubeというチャンスがあって、自分で書いた曲もありだろうって。

だから完全なクラシックではないんですよ。書く曲はロックっぽいもの、フュージョンっぽいもの、ボサノバっぽいものとか、いろんな要素が入っています。

でもやっぱり、クラシックを年中やってるので、どこかクラシックの匂いはしてると思います。

クラシカルなメロディだったりハーモニーだったりするんだけど、リズムはボサノバだったり8ビートだったりという感じの音楽で、だからジャンルとしては“ライトクラシック”に入れられます。

だからジャンルはなんですかって聞かれたら、“ライトクラシック”と言うようにしています。

 

作曲はずっと独学でやられてたんですか。

かなり感覚派ではあるんですけど、最低限の理論はちゃんと勉強しました。

でもやっぱりそれだけでは発展したものが書けないので、あとはいろんな音楽からの影響を自分のものにしていくっていうスタイルです。

 

もともとどのような音楽に影響を受けたんですか。

最初はクラシック、中学でユーミンや井上陽水さんからニューミュージックに入って、YMOや高中正義さんを経て、それからカシオペアにどハマりして、最終的にはジャコ・パストリアスというベースの名手までいきました。なのでエレキベースまで買って。

バンドをやってたんですけど、今では恥ずかしいくらいギターもベースも下手くそだったんで、自分がギタリスト、ベーシストになれるとは思い描けなかったんですね。

だけどやっぱり曲を書いたり、サウンドエンジニアやアレンジャーっていうものに憧れがありまして。

この3年ぐらいは“曲を書くジュビちゃん”っていうのが、ちょっとずつみんなに知ってもらえたので、そういう意味では作曲とか編曲といった自分のやりたかったことにやや近づいてきたのかと思います。

 

コントラバスの魅力は。

でかい(笑)。それから音が低い。

エレキベースと同じ音域ではあるんですけど、倍音っていうんですけど音が非常に広がるんですよ。

直線的というよりは横に体感するように音がくるので、耳に入ってくるというより、体にブルブルときます。

音がハウリングしやすいので、バンドをバックにやると非常にバランスが取りにくいですね。

リズムのベースと音が喧嘩しちゃったり、音もまぎれやすいです。

それがいいところでもあり、悪いところでもありますね。

 

新作『にじいろのさんぽみち。』はどのような作品になりますか。

1枚目のアルバムは、エリック・サティという100年くらい前のフランスの作曲家の作品をポップにアレンジしたり、打ち込みを使ったりと、そのままやるんじゃなくてちょっと変わったことをやったんですけど、今回は完全に自分の書いた曲だけで構成しました。

11月12日(火)に発売しまして、今回はそのレコ発ライブを10月12日(土)に京都モダンタイムスで行います。

入ってる曲はオムニバスというか、いろんなきっかけで作った曲が入っているんですけど、全体としてまとまって聴けるように再構成したんです。

CDの最初に入ってる『鉄橋と彩雲と、ぼく。』という曲は、島根県と広島県を結んでたJRの三江線というローカル線がもうなくなるというので、廃線になる前に乗ってみて、そのイメージで書いた曲です。

『春風と南相馬』という曲は、東日本大震災の被災地である南相馬を回った際に、除染作業をした泥が積み上がっていたり、ガランとして中になんにもない建物がそのままあったりして、ここに街があって人が生活していたんだと思った経験から作った曲です。

そういった描写的な曲もあり、まったく自分のイマジネーションだけで書いた曲もあるんですけど、各曲ごとにいろんなドラマであるとかテーマがわかるように作ってあるので、もし聴いて気に入っていただけたら、CDの解説も読んでいただけるとより楽しんでいただけると思います。

 

曲のタイトルがかなりユニークですよね。

助手がいまして、もともとはコントラバスの弟子だったんですけど、いろいろと作業を手伝ってもらっています。

アルバム12曲のタイトルは、全部その助手がつけたんですよ。

『にじいろのさんぽみち。』というアルバムタイトルも助手がつけました。

 

クラシックとソロで、演奏する際に違いはありますか

ふだんはオーケストラで大きなホールでやってて、マイクなしでバランスをとるという作業をしていて、指揮者の方が統率をとってやってるんですけど、ソロは自分が中心になって少ない人数でやっていて、マイクを通したりするので、エネルギーの出し方が違いますね。

オーケストラはやっぱりパーツのひとつになってみんなで一つのものを創るという作業になるので、ソロでやるときのほうがやはり主体的で能動的な動きになります。

 

やっぱりソロの方がやりたいことが自由にできますか。

やりたいことをやれないジレンマもありますけどね、その落差は大きいです(笑)。

ただオーケストラの経験っていうのはやっぱり活かされてると思います。

何十年もオーケストラをやってきて、現場で音作りをやってきてるので、その経験がなかったらたぶんソロもできなかったと思うんですよ。

オーケストラの現場で楽器をやっていて、ベートーベンやモーツアルト、ブラームスといった歴史上の偉大な作品を毎日毎日どんどんやらなければいけない。これは結構たいへんな仕事なんですけど、それをずっとやってきて、そのアイデアをどんどん蓄積することで、音楽のまとめ方やバランス、パターンといったものが、この歳になってようやく自分の感覚とくっついた感じなんですね。その経験が今の自分の活動に生きてると思います。

 

レコ発ライブがありますが、意気込みは。

私が意気込むというより町が意気込んでほしいと思ってるんですよ。上からな言い方なんですけど(笑)。

とにかく京都の人に聴いてほしいのはもちろんなんですけど、全国の人に来てほしいです。

私のお客さんってやっぱりYouTubeから入ってくる方がいらっしゃるので、遠方の方がわりと多いんですよ。

私は京都で死のうって決めてまして(笑)、京都を本拠地としてやっていきたいので、みなさんに京都に来てくださいっていう活動をしていこうと思ってます。

 

今回はどのようなライブにしたいですか。

セルフプロデュースという形で去年の秋から初めて、今回が3回目なんですけど、毎回お芝居を入れたりしてるんです。

“ジュビちゃん”っていうキャラで活動を始めて3年目になるんですけど、今までよく考えたら音楽だけでライプを1ステージ通したことが1度もないんですよ(笑)。

必ずなにかやってたんですけど、今回のレコ発ライブにかんしてはなにもやりません、今回は演奏がメインですと。ミュージシャンとしたら当たり前なんですけど(笑)。

今回に限っては音楽だけで勝負というかね、音楽だけで楽しんでいただけるように、音楽の中にストーリーを感じていただけるようにステージを作ろうと思っています。

 

今後の展望は。

まあやっぱり東京ドームですね(笑)。

コントラバスって楽器も珍しいし、バイオリンなんかだったら大きいステージでやられる方もいらっしゃるんですけど、おそらくコントラバスでバンドでやるという人を私以外で見たことないんですよ。ですので、そのジャンルでは独走間違いないだろうと思っています(笑)。

楽器は弾き続けますけど、作品作りのほうにも重心を置いていこうと思うので、これからは私が出ないコンサートも、手がけていくと思います。あくまで希望ですけど(笑)。

 

最後にメッセージを

今はネットで音楽が買える時代で、私もYouTubeをやってますけど、音楽はやっぱり生で本人がいるところで見る、聞くということがすごく楽しいし、そういうことがどんどん遠くなっていくのは寂しいと思います。

私のライブに限らずなんですけど、生で音楽を聴いてほしいと思うので、だからまずジュビちゃんのライブに来てください(笑)

 

ジュビレーヌ・イデアラ新作CD『にじいろのさんぽみち。』レコ発ライブ

日程/12月2日(月)
   18:30開演(17:30開場)
料金/前売 4,000円、当日 4,500円
会場/京都モダンタイムス
   〒604-0961 京都市中京区木屋町三条上がるエンパイヤビルB1
   http://mtimes.jp/

ジュビレーヌ・イデアラ新作CD『にじいろのさんぽみち。』

11月12日(火)発売
発売元 幻水会

ジュビレーヌ・イデアラ公式サイト「ジュビちゃんWeb」

https://juvichannel.jimdo.com/