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【京都の町を駆け抜け、タッチで心の襷をつなぐ!】 3月8日(日)開催 第31回全国車いす駅伝競走大会
京都チームに突撃インタビュー!
いよいよ開催まで1ヵ月を切った『天皇陛下御即位記念 天皇盃 第31回全国車いす駅伝競走大会』。今年も京都の町を舞台に、全国から集まった22チームによる熱戦が繰り広げられます。われらが地元・京都チームは今年もA・Bの2チームが出場!
そこでゴ・バーン編集部は、昨年3位という成績を残し今年も表彰台を狙う、京都Aチームの寒川選手、中井選手、坂野監督の3人にインタビューを実施。大会への意気込みや車いす駅伝の魅力についてお話を伺いました。
※3月8日(日)に実施を予定していた『天皇陛下御即位記念 天皇盃 第31回全国車いす駅伝競走大会』は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため中止となりました。
「駅伝はチームで戦う陸上競技。一人だけ強い選手がいても勝てないところが面白い」寒川 進選手
寒川 進 51歳 競技歴:29年 2004年のパラリンピック アテネ大会代表。4×400mリレー 銅メダル その他国内外の車いす陸上競技大会に多数参加。全国車いす駅伝には第3回大会(92年)から連続出場中。2人の子どものお父さん。
Q.車いす駅伝を始められたきっかけは?
障がいのための復帰訓練(リハビリ)をしていた頃に開催された第1回大会(90年)を沿道に見に行ったのが始まりです。当時参加していた車いすバスケットのチームメイトの多くが駅伝に参加していたことや、駅伝のコースが入院していた病院から近かったこともあって。
Q.練習ではどんなメニューに取り組んでいますか?
普段は仕事が終わってから夜9時位まで、だいたい2~3時間練習します。ローラー練習を中心にウエイトトレーニングや坂道を登ったりもしています。チーム全体で行う強化練習ではほかの選手を引っ張る立場にあるので、メンバーの競技力の底上げを第一に考えています。
Q.寒川選手が思う、車いす駅伝の見どころを教えてください
駅伝はチームで戦う陸上競技。一人だけ強い選手がいても勝てないところが面白い。この大会は国内のトップ選手から競技歴の浅い選手まで、競技力の異なる選手が集まり一緒になって競技をするので、トップ選手のスピード(平地でも30km/h下りなら50km/hに達することも)はもちろん、区間によって順位の入れ替わりが多いところも見どころだと思います。
Q.今大会への意気込みをお願いします!
京都チームは大会で結果を出すために、スタッフやボランティアなど多くの方々にサポートいただきながら一年を通して活動しています。全国的に見てもこれだけのチーム体制が出来ているチームはありません。スタッフの皆さんは「チームに結果を残してほしい」という思いでサポートしてくれているので、私たち選手はその思いに応えられるよう、日々の練習や強化練習に取り組むべきと考えています。今のチームには(以前と比べて)飛びぬけて強い選手はいませんので、総合力でどこまでいけるかが勝負でしょう。昨年はなんとか3位表彰台に食い込むことができたので、今年も表彰台を目指したいです。
「練習を支えてくれたスタッフの気持ちも心の襷に込めて、都大路を駆け抜けたいと思います」中井 康彦選手
中井康彦 40歳 競技歴:5年半 全国車いす駅伝への参加は今年で6回目。そのほか大分国際車いすマラソンにも参加。3人の子どものお父さんで、好きな食べ物はB級グルメ。趣味はアウトドア全般と、友人とお酒を飲みながらおしゃべりすること。
Q.車いす駅伝を始められたきっかけは?
入社した会社の先輩から誘われ始めました。最初は体を動かすことが目的でしたが、徐々に競技にのめりこみ今に至ります。
Q.練習ではどんなメニューに取り組んでいますか?
普段の練習では休まず長くタイヤを回し続けれるようなスタミナ強化と、ゴムチューブを使った“ながら”トレーニングで、インナーマッスルを鍛えています。大会前の強化練習では主にトップスピードで走る練習と、集団でのレース運びや勝負所の駆け引きを意識した練習を行っています。
Q.中井選手が思う、車いす駅伝の魅力は何ですか?
5区間の中にさまざまなタイプのコースがあることで、障がいの程度(重度・軽度)に関わらず競技に参加できることや、チームとして、1人では達成できない成果を得られることに魅力を感じています。障がいを持つことは決して楽な人生とは言えませんが、(競技を通じて)全国の選手、スタッフの方と交流する機会もあり、自身のチームだけでなく全国に仲間ができます。そうしたつながりが生まれることも魅力のひとつですね。
Q.今大会への意気込みをお願いします!
今大会に限った話ではありませんが、京都に優勝旗を持ち帰り、京都の皆さんの応援に応えたいです。(今の京都チームに)日本を代表するトップ選手はいないかもしれませんが、スタッフのサポートのおかげもあって、本番では選手全員が全力で心の襷をつなぎ、結果を出せているのだと思います。スタッフの皆さんがいなければ今の京都チームはなかったので、今年度も暑い中、寒い中、練習を支えてくれたスタッフの気持ちも心の襷に込めて、都大路を駆け抜けます。そして、同じような障がいを持たれる方が大会観戦を通して「(自分も)やってみたい」と思い、競技に参加してくれると嬉しいです。
「チーム一丸となって競技に取り組むことで見えない力が発揮される。そこに駅伝の面白さがある」坂野睛男監督
坂野睛男 66歳 第24回全国身体障害者スポーツ大会(88年)で公開競技として開催された車いす駅伝競走大会以来、31年に渡り監督として京都チームを率いる。現在は奥様との2人暮らし。好きな食べ物は柿・リンゴ。趣味は釣り。
Q.チームとして大切にしていることは何ですか?
京都チームは一年を通して合同練習を行っていますが、選手が練習に前向きに参加しようと思えるような環境づくりを心がけています。「さあ今日も頑張るぞ…」と思いながら練習に集まれる雰囲気を大切にしたい。そのおかげかチームの雰囲気も良く、日々楽しみながら練習を行えていると思います。
Q.Aチームの寒川、中井両選手へのメッセージをお願いします。
寒川選手は長年京都チームを牽引してくれているチームの大黒柱。何度も肘にメスを入れながらアスリートとして頑張ってくれています。ほかの選手たちの見本として、まだまだ頑張ってリードしていって欲しいです。
中井選手は競技に参加して6年目、Aチームは今年が3回目となりますが、寒川選手を脅かすような選手に成長して欲しいです。その力を持っている選手だと思っていますので。日々の取り組みで目標を明確にし、少しでも多くハンドリムを回して欲しいと思います。
Q.坂野監督にとって車いす駅伝の魅力は何ですか?
コースには第1区のエース区間をはじめ、ジワジワと登って行く区間、きつい登りと下りを持つ区間などがあり、適材適所に選手を配置をすることでチーム力を発揮できるようになっています。チーム一丸となって競技に取り組むことで見えない力が発揮される。そこに駅伝の面白さがあるのではないでしょうか。
Q.今大会への意気込みをお願いします!
ここ数年、福岡チームと大分チームが頭一つ抜け出しており、私たち京都チームもそれに続けと表彰台を目指して頑張っています。昨年ゴール前で抜いた大阪チームも、今年は昨年以上に力をつけてきています。ほかにもライバルチームは多いですが、市民の皆様の声援を力に変えて頑張りたいです。
最後に地元・京都の人たちへのメッセージを!
寒川選手:「毎年多くの方々のご尽力により大会を開催いただき感謝しています。その期待に答えられるよう全力で走りたいと思っています。駅伝の街・京都で行われる車いす駅伝、選手だけでなく全員で素晴らしい大会にしたいと思います。応援よろしくお願いします」
中井選手:「いつも応援ありがとうございます。沿道からの『京都頑張れ』、『京都負けるな』といった声援が力になり、もうひと踏ん張りを後押ししてくれます。今年も地元京都の皆さんに応援してもらえる価値のある走りをしますのでよろしくお願いします」
坂野監督:「選手に聞きますと、走っているとき沿道の方々の声援がよく聞こえると言いますので、ぜひ選手の名前を呼んで声援を送ってやってください。その声援が選手の背中を押します。選手の頑張る姿を見て(車いす駅伝の魅力を)感じ取っていただけたら嬉しいです」
寒川選手、中井選手、坂野監督、ありがとうございました!
選手、監督、スタッフ、支援者の全員が表彰台に向かって一致団結している京都チーム。今大会もきっと素晴らしい走りを見せてくれるはず!頑張れー!京都チーム!!
ゴ・バーンは全国車いす駅伝競走大会・京都チームを応援します(^O^)
天皇陛下御即位記念
天皇盃 第31回 全国車いす駅伝競走大会
■日時:2020年3月8日(日)11:30スタート
■コース:国立京都国際会館→たけびしスタジアム京都
■お問い合わせ:全国車いす駅伝競走大会実行委員会事務局
〒606-8106 京都府京都市左京区高野玉岡町5 京都市障害者スポーツセンター内
TEL/075-712-6006